「令和4年度税制改正大綱」について

寒い日が続きますが
皆様いかがお過ごしでしょうか。

さて、今回は12月10日に発表された
自由民主党・公明党による
「令和4年度税制改正大綱」の中から
住宅に関する項目をご紹介させていただきます。

住宅ローン控除】

皆様のご興味ご関心が一番高い制度である
住宅ローン控除についてです。

今回の税制改正大綱では
住宅ローン控除の控除率について
年末の住宅ローン借入残高の1%から
0.7%へ引き下げとなりました。

ではなぜ引き下げに至ったのかというと
昨年発表されました令和3年度税制改正大綱の中で
会計検査院の指摘(いわゆる「逆ザヤ」)について
「令和4年度税制改正において
控除額や控除率を見直すものとする」
と明記された事により見直されました。

現在、住宅ローン金利はネット銀行を中心に
0.4%を切るような金利で融資する金融機関も出てきました。

例えば4000万円を金利0.4%、35年で借入をした場合
初年度の利息が約16万円程度支払うこととなります。
一方で現在の税制では
年末の住宅ローン借入残高が3900万円あった場合
その1%の39万円を最大値として
所得税や住民税から控除されることとなります。

このケースでは年間16万円の利息を支払い
39万円が税額控除される=23万円が
住宅ローンを組むことで
実質的に手元に戻ってくるということになります。

0.7%の控除率でも「逆ザヤ」の解消にはなっていないのでは?
と思われる方もいらっしゃるかと思いますが
住宅ローンを組む場合、金融機関に対して
「保証料」や「融資手数料」というものを支払います。
そのような諸費用まで加味することで
控除率0.7%が妥当と判断されたようです。

住宅ローン控除が始まった当初は
金利2%前後で融資を受けるケースが多かった為
控除率1%となったようですが
時代の移り変わりに合わせて
控除率も見直しとなったということです。

控除率が下げられた一方で
原則10年間(令和3年度税制では消費税10%場合
一定の契約年月日中に契約した場合は13年間控除でした。)
だった控除期間は
新築住宅の場合は13年間となっています。

また、中古住宅でも宅地建物取引業者により
一定の増改築等が行われている場合は
13年間控除となっています。
(中古住宅の場合で宅地建物取引業者が
一定の増改築等を行っていない場合は
10年間控除となります。)

但し、2050年カーボンニュートラル(※1)の実現に向けて
住宅ローン控除にも省エネ性能に応じた
段階的な控除上限額が新たに設けられました。

現行制度では、認定住宅(※2)か認定住宅以外かの
2つの区分だったものを
①一般住宅
②省エネ基準適合住宅
③ZEH水準省エネ住宅(※3)
④認定住宅
の4区分を設け、控除上限額は省エネ性能の高い順に
④⇒③⇒②⇒①
となっています。

具体的にどのような建物が①~④に該当するかは
詳細の発表を待つことになりますが
これからの住宅ローン控除では
どの程度の省エネ性を有している住宅なのかも
控除額に影響してくることになります。

今回ご紹介させていただいた
「令和4年度税制改正大綱」は
自由民主党・公明党による大綱で
来年1月から始まる通常国会で審議され
無事に可決されると施行されることになります。
なお、税制の課税期間は
原則1月1日から12月31日までとなりますので
令和4年1月1日に遡って適用となります。

リビングライフでは住宅ローンの専門部署を設けて
お客様に最適な住宅ローンを提供できる体制を整えています。
住宅購入・住宅ローンでご不安な点などがありましたら
お気軽にご連絡ください。

※1:カーボンニュートラルとは
  温室効果ガスの排出を全体としてゼロとすること
=二酸化炭素をはじめとする温室効果ガスの排出量から
植林、森林管理などによる吸収量を差し引いて
合計を実質的にゼロにすること

※2:認定住宅とは
「認定長期優良住宅」「認定低炭素住宅」をいう

※3:ZEH住宅とは
「外皮の断熱性能等を大幅に向上させるとともに
高効率な設備システムの導入により
室内環境の質を維持しつつ大幅な省エネルギーを実現した上で
 再生可能エネルギーを導入することにより
年間の一次エネルギー消費量の収支が
ゼロとすることを目指した住宅」